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今年の初読書(遅い!) [読書]




舞台は近未来の世界。

震災後、日本は鎖国を続け、閉ざされた世界で生きる人々。老人は死ぬことができず、子供は生き続けることが難しいほどにひ弱となった、未来のない世界。

そんななか少年無名が“献灯使”に選ばれ、未来を託され海外に旅立つことになるのですが…。

普通ならこれで少しは希望のあるようなストーリーになりそうですが、なんだか明るさが感じられず、かといって全くの暗闇でもなくといった微妙なテイストの作品となっており、それが不安感やなんとも言えない嫌〜な感情を呼び起こされました。

作者の多和田葉子さんは好きな作家の一人で、特にここ最近の作品はよく読んでいたのですが、それらとはまた一線を画す作風だなあというのが第一印象。

ずいぶん直球に、震災後の世界や人々のあり方に対するメッセージを投げかけてきているように思います。

早くも震災について忘れかけている自分に、まだ何も終わっていないよと言われたような気がしました。

短編集で、収録されている5作品ともに震災後の世界が舞台となっています。登場人物も舞台もどれも違うけれど、それぞれの立場から見た震災後の世界を描き出しています。

なかでも印象的だったのは『不死の島』という作品。

外国から見た震災後の日本てこうなのかと思わさせられて、近すぎて逆に慣らされて鈍感になって、ま、しょうがないかと諦めてしまっている自分に対する強いメッセージのようでした。
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旅先で本を買う [読書]




旅行先で買いました。

普段めったに旅行などしないのですが「旅に出たら町中のこじんまりとした本屋にふらっと入って、その旅ならではの本を買って読みながら旅したいな~」などと夢ばかりふくらませています。

実際に行ってみると、あれ見てこれ見て、食べて買ってと大忙しで、とても書店を見つけるどころではなかった…。ゆったりと余裕のある旅ができる人に憧れます。

そしてやっと見つけた本屋で買ったものと言えば、“旅”とは全くかけ離れた趣味全開の本。

私立探偵益井丸太、23世紀からやってきた元タイムパトロール隊員芽原アド、さらには現役タイムパトロール隊員の新米刑事武村ロミが織りなす時空間ミステリー。

サブタイトルに“タイムパラドクスイリ”とあるように、タイムトラベルを使って事件を解決するとパラドックスが発生してしまうのかどうか、というのがテーマになっています。

事件を解決したいけど、そうすると事件そのものがなくなってしまうのでは?というところの駆け引きが面白く、主人公たちのキャラクターやユーモラスで軽やかな語り口にも刺激され、旅行帰りの電車で一気読み。

タイムパラドックスやその回避などに関する理論については正直言って、ん?笑いでごまかしてないかと思うところもありますが、手軽な時間SFとして楽しめました。

新潮文庫の新レーベルnexからの発売で、ライトノベルっぽいかなとあまりマークしていなかったのですが、やっぱり食わず嫌いはだめですね。
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東尋坊。
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自分も犯人…!? [読書]




帯の“読者全員が犯人”にひかれて購入。

ある作家に届いた“ミステリー界最後の不可能トリックを買ってほしい”という手紙を軸に、買おうかどうしょうか迷う作家の日常が綴られていきます。

その“読者全員が犯人”というトリックというかオチについては賛否両論あるだろうなあと思いますが、展開が面白くてぐいぐい読んでしまいました。

トリックを買う話についてはなぜか途中で立ち消えになってしまい、どうなるんだよ!と思っていたところ、最後にトリックと作家の周辺で起きていた様々なちょっとしたことがひとつにまとまったときは、あ~なるほどなあ~っ!と軽く膝を叩く感じでした。

手紙をめぐる出来事とは別に、作家が、あるかなり変わった分野の研究について大学教授に取材したり、テレビ番組の収録に居合わせたりするなど、一冊のなかの大部分を費やして描かれています。一見本筋とは全くつながらないのですが、ラストにちょっとした仕掛けがあり、それにも驚かされました。

個人的にはオチに対しては、ふふふふ~んというところ。ついニヤッともしてしまいます。

初読の著者でしたが、メフィスト賞受賞作とのこと。そのせいなのかどうなのか、構成がかなり凝っていてはまりました。そういえば『人間の尊厳と八〇〇メートル』も最近書店でおされていてちょっと気になっていたのを思い出しました。




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解決まであと6人…5人…4… [読書]




読みました。

六つの探偵事務所に現れる謎の女。その依頼も謎めいている。

「カメラの持ち主はだれなのか」「マッチの色と“VV”の文字を手がかりに喫茶店を見つけてほしい」「車のシートがなくなった理由は?」

何その依頼?と思える小さな謎が解決してゆくにつれて大きな事件につながっていく様が面白かった!書籍自身の紹介では“メドレー・ミステリー”と銘打たれています。続きが気になって一気読みしてしまう構成です。

依頼の内容も様々ですが、それを探偵それぞれの方法で解決していくのも、いろいろな探偵小説を読んでいるようで楽しかったし、おトクな感じ。

よく考えるとかなり深刻な事件が起こっていますが、軽く(と言ったら失礼ですが)読めるところもいい。

ラストにはちょっとしたどんでん返しもあります。

著者は岡嶋二人さん。既にコンビを解消されていますが、今からでもいろいろ読んでみたいなと思いました。

そしてミステリーと言えば2時間ドラマに向いているかどうかをつい考えてしまうわけですが。

この作品はテイスト的にはぴったりですが、構成を考えると2時間ドラマには難しいかな。でも、1話完結型で、毎回探偵役にゲスト俳優をキャスティングするとかどうだろう。謎の依頼人は誰がいいかな…。
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好きな作家は…ドスト… [読書]

読書が趣味というと好きな作家は?と聞かれるのは宿命ですが、その際にドストエフスキーと言うと、ああ、新訳読んだんだと思われたりするブームもすでに去って久しいですね。



読みました。

“あの名作には真犯人がいた。兄弟たちの驚くべき「その後」を描く『カラマーゾフの兄弟』第二部”と帯にはあります。

学生の頃、図書館で全集を借りてむさぼり読んではいたものの、特にこの一番の大作については読んだぜという満足感だけで、正直内容についてはあまり覚えていません。ドストエフスキーが好き!とか公言しているくせに。

それでもやはりファンとしてはこれは読んでおかなくてはなるまい!ということで読み始めましたが、『兄弟』のほうの復習を作品の中でしてくれているので随分思い出しました。

ドストエフスキーの小説は哲学的と言われるのと同じくらい頻繁にミステリー的に読めるよなんて言われたりしますが、この作品は著者が『カラマーゾフの兄弟』をいちミステリーファンとしてミステリー的に読み解いて、ドストエフスキーが作品の中にちりばめた手がかりを読み解いて真相を解明してみました!という感じがして、それがとても面白かった。

私はミステリーはほんとにかじる程度なんですが、知り合いのミステリー好きは自分で手がかりや伏線を見つけながら読んで、探偵による解決編(金田一少年じゃないんだから)を読む前に自分で絶対答えを出す!と言っているのを聞いた時すっごく驚いたものですが、この作品はそうしたのかもなと思いました。

そして、好きだからこそ読み込んじゃったよ~という著者の熱い思いには共感もするし、あの作品をここまで読み込むかーという尊敬の念も抱いてしまいました。

この作品で提示された真相については何か妙に説得力もあって思わずそのまま信じそうになるけれど、そこは解釈のひとつということで、また別のファンの方や新訳をされた亀山郁夫先生にもぜひ解決編を書いてほし~い!

ところで、この作品にはSF要素といいますか、ある意味オカルト要素と言えるものが盛り込まれていて、個人的にはそこについニヤニヤしてしまいました。SF好きの方にも感想を聞いてみたいです。

新訳のほうは読んだことがないのですが、読んでみようかなとも思いました。




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先入観で損をしていた [読書]

7月に芥川賞が発表されてからはや2ヶ月。

あー読まなきゃなーと思いながらも、だらだらと読まずにきてしまったのですが。

実は、書店で働く身としては恥ずべきことですが、受賞作家柴崎友香さんの作品は今まで一度も読んだことがなかったのですよ。なんとなく、自分が苦手とするタイプの作品を書く作家なんじゃないかなーと勝手に思い込んでいたからです。

友人に、書店で働いているのに柴崎友香も読んだことないなんてやばいんじゃない?という突き刺さる言葉をいただき、ついに重い腰を上げてみました。

『青空感傷ツアー』





受賞作、もしくはここのところのノッテいる作品を読めばいいものの、なぜか10年も前のデビュー直後の作品を選んだのは、そうまさに、このあたりの書籍を書店で見かけた際、たぶん違う、これは自分向きじゃあない、と思い込んでそのまま今日まできたからか。

で、読んでみて、とても良かった。驚いた。

冷静になって作品を見返してみると、出てくる人たちはどれも好きなタイプではないし、自分と重ねて感情移入できるタイプでもない。そして何といっても、こうした現実感があるようでいて実は全く現実感がなく、ふわふわ浮いているような印象を受ける作品は全く好みではない。

それでもなぜだか心にしんみり来たというか、すっと心の奥の部分をなでられて引っ張られていくような感じをうけて、しみじみとした気分になった。

想像と違うぞ、柴崎友香。ということで読んでみた。

芥川賞受賞作『春の庭』





ああ、何というか少し外文風というか。デビュー直後のテイストは残しつつ、なんかすごく進化しているなあなんて、今まで一度も読んだことなかったくせに偉そうに思う。

地に足がついているようでいて、浮き足立っている感じもして、現実的で卑近な感じでいて、どことなくファンタジックで。読み進めながらどんどん予想を裏切られていくようで楽しかった。

そして何より、なんだこの視点の定まらなさは。誰の視点で書いているのか読みながら絶妙に移り変わっていくさまがとても面白かった。

今回読んでみて、あー今まで10年くらい先入観で損していたなーという、そういう話です。
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ロング・インターバル [読書]

死ぬまでに(大げさ)、全作読んでおきたいと思っている作家が何人かいます。

将来隠居したときには、そうした作家の作品を、読んだものも含めて全集で一から読みきりたい!とか思っているのですが、まあ、読みたければ今から読め、どうせ読むのが遅くて間に合わないんだから。

普段から読むスピードは遅くて、書店で働くものとしてあるまじき感じだったりするのですが、遅いというよりも集中力が続かなくて、一日の読書時間がものすごく短いというのが情けない。

それでも昔はもっと集中して読めていたし、気付くともうすぐ朝なんていうこともあったのに。今ではもう夜なんて、読み始めて10分で眠くなる始末。

あと、なかなか読み進まなくて、気持ちも乗らなくて、でももう読むのやめよう!ってことにもならなくてしばらく放置、で少し合間をあけてから続きを読んだりすると意外と一気にラストまでいけたりするということもある。

そうやって最近やっと読み終わったのが、フォークナーの『死の床に横たわりて』(講談社文芸文庫)。

死の床に横たわりて (講談社文芸文庫)

死の床に横たわりて (講談社文芸文庫)

  • 作者: ウィリアム フォークナー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 文庫


これは結局どのくらいかかっただろうか、半年くらいだろうか。その間ずっと鞄に入れておくものだから、鞄を開けるたびになんか後ろめたくなってきて、そのうちそれさえも麻痺してしまってほんとなんだかなあ。

でもすごく読み応えはあって、諦めずに読み通した甲斐があったというもの。

フォークナーはすごく好きで、一生かけて全作読みたいと思っている作家の一人なのだけれど、よく古そうとか固そうと思われてしまうことが多いようで残念です。

確かに作品が書かれたのが1920年代から50年代にかけて、日本で言ったら昭和初期から30年代くらい。その時代のアメリカ南部が舞台で、白人と黒人の関係性などがモチーフになっていることが多いから、今の時代の感覚からするととっつきにくいかも。

でも読んでみると、今の時代にも通じる人間の本質を鮮やかに描いていたり、自分の痛いところ、見たくない嫌なところを見せつけられている気分になったりして、ああ、えぐられるなあという感じなのが好きです。

それと、かなり実験的というか、構成が複雑だったりするので、それを読み解くような読み方をするのも楽しいです。

この『死の床に横たわりて』は、架空のアメリカの郡“ヨクナパトーファ”を舞台にしたヨクナパトーファ・サーガのひとつ。といっても、サーガの中心人物である人々は出てこず、ヨクナパトーファ出身のアディとその家族であるバンドレン一家を中心にした物語。アディが死ぬところから始まり、その“死んだら遺体を故郷に埋めてほしい”という遺言を守るために、バンドレン一家が喜劇的なまでに右往左往するというのがメインストーリー。

物語の視点が、家族だけでなく15人ほどの登場人物を次々と移動していき、さまざま観点で出来事が語られていて、それによって全体が見えてくる。時には人によって言っていることが食い違うというような矛盾も見えてきたりして、そこが楽しみどころだった。

やはりまず、サーガは全作読まなくては。
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久しぶりのショートショート [読書]

なけなしのお小遣いで本を買ったりしはじめたころ、ショートショートが好きだった。というよりも、星新一が好きだった。

中一のときの現国の先生が星新一好きで、毎回授業の前に作品をプリントしたものを読ませてくれていて、それにすごく影響を受けていた。

それから自分でも新潮文庫の星新一を読み漁り、そのあと筒井康隆に行ったりして。

今でもSFに心惹かれてしまうのは、そうした体験を読書経験の初期でしていたからだと思うけど、ショートショートって久しく読んだことなかったなあ。そもそも、あんまり見かけないような。意識的に探していないから気付かないだけなのか。

だから、蒼井上鷹の『4ページミステリー』(双葉文庫)は久しぶりのショートショート作品。

4ページミステリー (双葉文庫)

4ページミステリー (双葉文庫)

  • 作者: 蒼井 上鷹
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2010/12/15
  • メディア: 文庫


一作につき文庫で4ページ、400字詰め原稿用紙で5枚、2000字で作られているショートショート・ミステリーが60本。

60編もあるけれど、どんどんどんどん読めてしまう。ネタやオチがかぶっているものが見当たらないし、構成やテイストにそれぞれ工夫が凝らされているから、飽きることなく全作読み通せてしまいます。作者の似通ったものは作らないぜという意気込みが感じられた。

テイストとしてはブラックでヒネリがきいているものが多くて好み。時々ひねりすぎていて、意味がよく分からないものもあって、短いから何度も読み直してみるんだけど、結局よく分からないままのものもあったりします。

ちょっとした空き時間や通勤電車で読むのもいいけど、次に読む本がほしいけど、いまいちこれというのが見つからないというときに、ちょっと買ってみるのはどうでしょうか。
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買う前に立ち読みはあまりしない [読書]

本を買うときに、立ち読み(試し読み)はあまりしない派です。

タイトルと表紙、帯のコピー、文庫だったら裏表紙のあらすじは読む。でも、冒頭やあとがきを読んでみて買うかどうか検討するということは、ほとんどやったことがない。

だからだろうか。想像していたものとぜんぜん違う内容だったということはものすごく多い。読み始めてすぐに、あ、これは違うなと思ってしまうことももちろんあるけど、思っていたのとは違うけど、でもすごい面白かったということもある。

それで、最近よく気になるのは、早川書房のポケミス。装丁が変わってからのシリーズは結構気になるものが多くて、『二流小説家』(デイヴィッド・ゴードン)を読んでみました。

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

  • 作者: デイヴィッド・ゴードン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/03/10
  • メディア: 新書


これは想像していた読書感とは違っていたけど、別の楽しみがあったという感じでした。

冴えない作家が連続殺人鬼の死刑囚から、彼だけのための小説の執筆依頼を受けたことから始まるストーリーには、この先どうなるんだ、事件の真相は?本当は犯人じゃないの?というようなぐいぐい引っ張られる要素があって、期待していたとおりに謎解きを楽しめました。

でも、読んでいるとそうした部分よりも登場人物のキャラクターに引き込まれてしまって、主人公をとりまく死刑囚、鬼のような女弁護士や切れ者のFBI捜査官、被害者の妹のストリッパーにビジネスパートナーの女子高生たちとの人間模様が楽しみになっていく。

ミステリーとしてよりも、二流小説家の出会いと別れ、そしてちょっとだけ成長(?)の物語として楽しめます。爽やかで少し物悲しい作品なのが、わりかし好みでした。
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歴史が苦手ですが [読書]

歴史が苦手です。

世界史も日本史も、基本的なことがほとんど分かっていないという恥ずかしさ。いい年して、この常識のなさは何なんだろうとことあるごとに思い、こんな本に手を出してみたりする。

もういちど読む山川日本史

もういちど読む山川日本史

  • 作者: 五味 文彦
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2009/09
  • メディア: 単行本


一ページ目からのハードルの高さに(主に漢字の読み…)、10ページも読めていません。

でも、歴史ミステリーは好きです。

聖徳太子はいなかったとか女だったとか、キリストの墓が東北にあるとか、アポロは月に行っていなかったとか。はっきり言ってトンデモ説だと思う。でも、そうだったら面白いなーって。ちょっと真剣に信じてみたり、人に話したりするのもありで。

で、好きなのが鯨統一郎。新刊の『新・日本の七不思議』(創元推理文庫)を読みました。

新・日本の七不思議 (創元推理文庫)

新・日本の七不思議 (創元推理文庫)

  • 作者: 鯨 統一郎
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/04/28
  • メディア: 文庫


ライター・宮田六郎が歴史のトンデモ新説をぶち上げて、正統派の美人歴史学者・早乙女静香と歴史検証バトルを繰り広げた『邪馬台国はどこですか?』『新・世界の七不思議』の続編。

前作・前々作では、「邪馬台国は東北にある!」「信長は自殺だった!」「始皇帝は日本に渡った!」などなど、かなりなトンデモ新説を披露。でも読んでみると意外と説得力があって、つい信じてしまいそうに。宮田vs早乙女のトークバトルも面白く、ぐいぐい読めてしまいます。つい何度も読んでしまうお気に入りの2冊。

今回の新作は、前作よりはトンデモは控え目。より真面目に歴史の謎に取り組んでいる感じで、馬鹿馬鹿しさや、トークバトル、ちりばめられた小ネタを思う存分楽しもうと思っていたので、少し物足りなかった。

でも最後の「真珠湾攻撃の不思議」を読んで、作者の歴史への真摯な思いを感じられたような気がしました。そしてやっぱり自分の歴史知識のなさを反省。『もういちど読む山川日本史』、ちゃんと読もうと思う。
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